sd Quattroでのマウントアダプタ利用

 Foveonセンサ機にてマウントアダプタを利用した場合、もしくは非常に古いSAマウントレンズを利用した場合の色被りについて、過去記事で紹介している。

Foveon X3 Merrillの色被り | 五海里

 この記事はMerrill世代のSD1 Merrillでの色被りを紹介した。
 トップに載せた写真を再掲するが、Merrillセンサではマウントアダプタ利用時は実用にならないレベルで色が変化する。


 色の変化は周辺部と光軸中心で全く違うため、SPPのみでは補正も不可能だ。CornerFixを利用しても完全には補正できない。モノクロでしか利用できないレベルだった。

 では、新しく出たsd Quattroで撮影した場合はどうか?
 実際に試してみた。

 まずは白い壁をSOLIGOR 28mm F2.8を取り付けて撮影してみる。


 SPPで露出だけ少しいじり、色は全く触れない状態で現像した。
 ご覧のとおり、Merrillセンサに比べれば色被りは非常に少ない。

 ちなみに、Merrillセンサで同じように白い壁を同じSOLIGORで撮った写真が以下だ。


 では、sdQで実際に風景を撮影してみる。


 全体的にやや緑に被っていたため、SPPで紫側へカラー調整している。
 適当に撮っただけなのでピントも合っていないが、色についてはかなりマシでないだろうか。色被りの程度としてはSD15までの水準に戻った。
 これでも左端は緑被りが残っているが、Meriillのものに比べれば非常に少ない。
 また、使用しているレンズがフィルム時代の28mmであるため、テレセントリック性も全く考慮されていないはずだ。別のレンズ、特に焦点距離が長いレンズを利用すればもっと色被りは少なくなると思われる。
 そもそもこのレンズ、左右で色被りの程度が違うのでやや偏心しているのではないかと思っている。

 SD1 Merrillではモノクロ専用とするしかなかったマウントアダプタだが、sd Quattroではレンズにもよるがまずまず実用になるものと思われる。
 SAマウント用のマウントアダプタはM42マウント用、ハッセルブラッドVマウント用の二つが現存している。過去にはFマウント用も存在していたが、現在は生産されていない。
 M42が使えるため、かなりレンズの選択肢も広い。
 そのうえ、ミラーレスとなったことで実絞りでもファインダー像が暗くならない。
 マウントアダプタを使用したい場合はsd QuattroはSD1と違って、全く使い物にならないものではなくなった。

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