Lens Kit(Capture Lens)をSAマウント化


 アクセサリの少なさに悩むSAマウント使いの皆さん、こんにちは。

 Peak Designからレンズ交換を簡単にするためのアクセサリ、Lens Kit(Capture Lens)が発売された。Lens Kitはレンズ取付部単体での商品名で、Capture Camera ClipとセットとなったものがCapture Lensという名称で販売されている。私はCapture Camera Clipは二個持っているためLens Kit単体で購入した。

 このLens Kit、例によってCanon EFマウント、Nikon Fマウント、SONY Eマウントの三種類しか販売されていない。他マウントユーザはKickstarterのコメント欄に「このマウントも出して!」と書き込んでいる状態だ。そのため要望の多いマウントに関しては将来的に対応される可能性はある。
 しかし断言しよう。将来的に追加されるマウントはまずm4/3、奇跡が起きればSONY AマウントとPENTAX Kマウント、Fujifilm Xマウントであり、奇跡が起きようが天地がひっくり返ろうがSIGMA SAマウントは追加されない。絶対にだ。
 また、奇跡が起きてPENTAX Kマウント用が発売されたとしよう。形状的にKマウントと同一と言われるSAマウントならばK用で使用できるのではないか? という希望が浮かぶ。
 しかし、過去記事に書いたとおり手持ちのK用リバースアダプタや接写リングはそのままではSAマウントに取り付けできない組み合わせがある。ノギスでマウント部を計測したところ、レンズ側K-ボディ側SAならばガタが生じながらも取り付けはできるが、レンズ側SA-ボディ側Kでは取り付けできないことが判明した。Lens KitのK用が発売されたとしてもレンズ側SA-ボディ側Kという使用できない組み合わせとなってしまうのだ。

 しかしPeak Design好きのSAマウント使いとしてはLens KitもSD1も使いたい。となるとLens KitをどうにかしてSAマウントに対応させる必要がある。
 そこでまず思いつく方法としては、SONY Eマウント用に対してSA-Eマウントアダプタを利用してSAマウントレンズを取り付ける方法だ。
 ところがこの方法ではフランジバックの差だけマウントアダプタの厚みが必要になってしまう。SONY Eマウントのフランジバックは18mm、対するSIGMA SAマウントは44mmだ。その差26mm。Lens Kitの両側にアダプタを取り付ける必要があるため、二個分の52mmが余計な厚みとして必要となる。
 これではあまりにもかさばりすぎる。

 そこでマンフロット405をアルカスイス規格互換に改造したときと同じ方法を取ることとした。そう、自分で図面を引き、マウント部のパーツを作ってしまうのだ。
 もともとはこちらのマウント交換が構想としてあり、後からそれができるならば405のアルカ化もできるのではと実行したのが上の記事なのだ。

 と、いうわけで本家Webにて一般販売が開始されたタイミングでEF用を購入した。K用発売の奇跡が起きればSAに流用できるのではと思っていたため流用できないことに気づくのが遅れてしまい、Kickstarterで注文できずに本家Webで普通に購入することとなった。
 Lens KitとSAマウントのボディ側・レンズ側を計測して引いた図面がこちら。寸法レイヤーは非表示にしてある。


 見ての通り、レンズロックピンの位置を基準にマウント部の位置を合わせたので、外径に対してマウントが数mmオフセンターな配置となっている。
 Lens KitはCanon EFマウント用をベースとしているが、マウント径が近いものを選んだほうがよかったかもしれない。ベースが違うのかは確認していないが。
 加工は前回と同じく1-OFF.jpで。

1-OFF.jp
http://1-off.jp

 発注にあたり悩んだのが材質だ。マウント部には真鍮が使用されることが多いようだが、それはレンズ側の話だ。ボディ側のマウントは一般的に何が使用されているのか調べたところ、同じように真鍮+硬質クロムメッキかもしくはステンレスが多いらしい。
 そこで最初は加工性がいい真鍮+硬質クロムメッキで作成しようかと思ったが、硬質クロムメッキ同士では摺動時にかじりを起こして摩耗が多くなるとのこと。レンズ側にもおそらく硬質クロムメッキが施されているだろうことを考えると、残る選択肢はステンレス一択となる。
 金額的制約がないならばSUS316でも選択するのだがそうもいかない。被削性を考えてSUS303とした。
 なお、本家Peak Designのマウント部はどうもアルミ製アルマイトなしのように見える。レンズ側マウントと摺動することを考えればLens Kit側を弱い材質で作ることでレンズ側を保護し、摩耗したらLens Kitだけを新調すればいいので合理的な選択と思える。
 しかしSAマウントパーツはワンオフ制作だ。アルミで制作して摩耗した場合、もう一度ワンオフで発注しなければいけない。そしてそれはレンズ側マウントがすり減って修理に出すよりも確実に高額なのだ……

 そして待つこと1ヶ月。完成したのがこちら。


 うつくしい……
 マウント取り付け指標にはエナメルで赤の塗装を入れてもらった。

 裏面はこちら。


 そして組み込んだ状態がこちら。


 パーツの外径も元のLens Kitにピッタリと合っている。
 組み付けは表裏のネジが一本の丸棒の両端にあるメネジに付けられており、表側のネジを回しているのに裏側が緩んでくることがあった。これは組み立てコストがかかりそうな……


 実際にレンズを取り付けてみたところ、純正EF用よりもガタが少なかった。元のマウントパーツはそこそこ公差がゆるいのか、ガタが問題にはならない程度だが大きいのだ。
 これはボディ側マウントに板バネが入っていない以上、どうしても出てしまう。にも関わらず改造後はこのガタの少なさ。加工精度が素晴らしい。


 しかし一点、失敗したところがある。このロックピン付近の爪下側にできた段差だ。


 レンズをマウント側へ押し付けずに回すと、この段差に引っかかってしまう。ちゃんと押し付けながらでは問題にならない。スムーズに取り付けができる。
 この箇所は図面を見ればわかるが、図面がてきとーで間違っている。反省点だ。

 マウント部が外径中心よりオフセットされているせいで、レンズ取付指標は赤に塗ってもらっているがちょっとわかりにくくなっている。ここは慣れが必要だろう。

 また、オフセットの弊害としてレンズ側マウント面が一部はみ出してしまっている。


 傷などが少々心配か?

 このマウント部のパーツをアルミからSUSへ変えたおかげで、重さが少々増してしまった。これは仕方がない部分である。

 あとはLens Kitそのものの使い勝手だが、小さいレンズならば非常に便利に使えそうだ。しかしMACRO 180mm F2.8はちょっと大きすぎだ。まだ外に持ち出していないので運用法はこれから考えていく。

 これでCaptureを二つ手に入れた意義がようやく出てきた。これから活躍してくれることだろう。

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