SD1後継機に望むもの

 SD1後継機はよ、と言い続けてどのくらい経っただろうか。
 Foveon X3 Quattroセンサを搭載したdp0 Quattroの発売が2015年7月10日だ。それから3ヶ月、SD1後継機は噂も聞こえてこない。さすがのSIGMAでも、まさかdp-1(マイナスイチ) Quattroやdp1.5 Quattroなんてものを開発してはいないだろう。カメラ開発チームは現在SD1後継機しか作るものがないはずだ。(カメラ開発チームが部署として常時存在しているのかは知らないが)
 また、Merrill世代のカメラではSD1 Merrillが一番最初に発売されている。これは無印SD1の存在があったゆえであることは想像できるが、これによってレフ機の優先順位が高いと錯覚してしまっていた。つまりQuattro世代のカメラでも遠からずレフ機が出るのではないかと思っていた。
 最初のdp2 Quattroの発表が2014年2月である。
 そこから1年半以上、SD1後継機を期待し続け、待ち続けている。

 なぜここまで時間がかかっているのか? 希望的な推測をすればカメラの機能を高めるためである、と思いたい。
 悲観的な推測ではSD1後継機は出すつもりがない、となるが、おそらくそれはない。社長がインタビュー記事にてSD1後継機の開発は行っていると明言しているし、SIGMAはユーザを切り捨てるような会社ではないはずだ。その点ではAマウントユーザよりは希望があるのではないかとも思う。

 さて、ではSD1後継機はどのようなカメラとなるのだろうか? 私の勝手な「こうなったらいいなぁ」という考えを書き連ねていく。

1. Foveon X3 Quattroセンサ搭載
 まず間違いない。Merrillのままはありえないし(私はそれでも良いのだが)、Quattroをすっ飛ばして巨額の開発費を投じ、新型センサを搭載するなどということは考えにくい。

2. ライブビュー搭載
 FoveonのライブビューはDPシリーズでできているし、特に実現に困難があるとも思えない。できれば暗所でノイズの少ないものにしてもらいたいが……
 dpQのライブビューは遅延とこんにゃく現象が目立つので改善できるならば改善してもらいたい。私はライブビューで動きものを撮るつもりはないので別にどうでもいいのだが。
2015/11/22追記
 Foveonは周辺部に色被りを生じ、その度合はレンズごとに異なることを失念していた。レンズ一体型のDPシリーズではともかく、レンズ交換式のSDでレンズごとの色被り補正をリアルタイムで行うのは難しいのかもしれない。

3. 処理速度・書き込み速度改善
 SD1 Merrillは流石に遅すぎる。7枚連射しバッファフルとなってから操作ができるようになるまで、体感だが2分近くかかっているのではないだろうか。
 これは高速なCFを利用してもほとんど改善されない。故に待ち時間の殆どが画像処理によるものと思われる。
 ベイヤーではこの画像処理はハードウェア処理をしているが、Foveonの場合はベイヤー処理用の素子が利用できないためソフトウェア処理をしていおり、そのため処理に時間がかかるそうだ。
 この開発期間の長さはFoveon画像を高速処理可能な素子を開発しているためのもの……だったらいいなぁ。
 この書き込み時間の長さはSD1 Merrillを使用していて最も不満を感じる箇所なため、この点が改善されるだけでSD1の使い勝手が劇的に良くなるはずだ。

4. ファインダーの改善
 現状にそこまで不満があるわけではないが、やはり所詮APS-Cのファインダーだな、と思う。
 欲を言えば35mm判換算0.75倍のファインダー(実倍率1.125倍)、メガネでも問題のないレベルのハイアイポイント、フォーカシングスクリーン交換式、スクリーンは拡散性のいいものとスプリットイメージ・マイクロプリズムの二種類をオプションとして用意、内蔵ストロボなど捨ててしまえ。
 もちろん接眼部の光学系も手の込んだものにしてほしい。そして接眼部は背面液晶よりも飛び出した形に。液晶に鼻が当たるのは仕方がないが、少しでも窮屈さを解消できると嬉しい。
 SONYのα7RII、α7SIIのファインダー部には「T*」の刻印が入っている。あれを真似してArtレンズについている丸いAのパーツを埋め込んだらかっこよさそうだ。
 と、妄想を垂れ流した。言うだけならタダだからね。
 しかしここに書いた内容ももしかしたら実現されるかもしれない、と思わせるだけの力がSIGMAにはある。
 dpQでも変態的フォルムを実現するLCDファインダーに加え、正直ろくに売れるとも思えない光学ファインダーもdp3以外には用意されている。
 これはSIGMAはファインダーに力を入れているということの証明に他ならないのではないだろうか。ということにして今しばらく夢を見ていたい。

5. 電子先幕シャッターの搭載
 せっかくのFoveon、微ブレも排除して撮影したい時がある。そのときミラーアップだけでは片手落ちだ。
 技術的には不可能ではないのでは? 別に完全電子シャッターでもかまわない。

6. バッテリー容量の増加
 Foveonは電池を食う。画像処理が大食いなのではないだろうか? dpシリーズも最初から電池が2個付いてくるそうなので、ボディの大きい一眼レフならばもっと容量の大きい電池を搭載したほうがいいのではないだろうか。
 というのも理由の一つなのだが、もう一つの理由はSIGMAのバッテリーがBP-21からBP-22へ変更されたことだ。
 私が所有しているバッテリーはBP-21であり、充電器も当然BC-21を利用している。そしてこの型番21のものと22のものでは全く互換性がない。BP-21をBC-22で充電することはできないし、その逆もしかり。全く同じカメラ、同じ形状の電池のために充電器二種類を使用し、間違った組み合わせに気をつけながら使用しなくてはいけない。
 ならばいっそのこと全く互換性のない大容量バッテリーを採用してくれたほうがすっきりする。

7. 外観デザインはどうなる?
 最初にdp2 Quattroの発表写真を見た時には、あまりにも特殊な外観デザインに驚いた。
 SD1後継機はこのdpのデザインを踏襲するだろうか?
 一眼レフの場合はミラーボックス、ファインダー、グリップ及びバッテリー室など、変更したくてもできないパーツが多い。そのため、形状は大きくは変わらない、正確に言えば変えられないのではないかと思っている。
 個人的には現行SD1のデザインが大好きなのであまり変えてほしくはない。両肩にダイヤルのあるカメラはカッコイイと思っている。肩液晶もあまり好きではない。
 塗装などの表面処理はdpQやArtレンズの質感を意識するだろうとは思う。

8. AF性能はどうなる?
 SD1に付いているAFセンサはオリンパスE-5のものだろう。オリンパスが今でもレフ機を作り続けているならばSD1後継機にはそのセンサが搭載されると予想できたが、現在の状況ではどうなることか。
 同じセンサを引き続き利用するという選択肢は可能性が低いのではないだろうか。現状SD1 Merrillでしか使用されないセンサがいつ供給停止されるか知れたものではない。
 ユーザとしてはEOS 7D Mark2あたりのセンサをアルゴリズムごと載せてくれるのが理想的かとも思うが、キヤノンがそんなものを外部に出すわけがない。無理だろう。
 これに関しては本当にどうなるか全く予想できない。蓋を開けてのお楽しみ、だ。

 と、一通り思いつくものを書き並べた。いざ発売された時にどこまで実現されるだろうか。楽しみだ。
 SD1後継機はよ。

2016/3/1追記
 sd Quattroが発表された。

2 件のコメント:

  1. AFユニットの供給に関しては、私も今回最大の問題ではないかと思っています。先日海外の某噂サイトで買収だの提携だの話しが出ていたのもこれらに起因するのではないかと。サクっとkissのユニットを積んでが一番現実が高そうですがw

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    1. そういえばそんな噂がありましたね-。
      Kissのハードウェアだけ、くらいならありえそう。

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